施設に入居して元気になることもある

世間の相場では、「高齢になって施設に入居する」というとネガティブな響きがありますが、父方伯父の奥様方お二人は、施設に入居してから元気になりました。

まず、先日にお話しした遠縁の女性は、戸籍上は六男の妻で、施設に入居してから毎日が楽しい」と喜んでいるそうです。入居後まもなくコロナ感染の大流行が始まり、家族との面会が禁止になったのですが、幸いにも施設でクラスター等も発生せず、元気に過ごしているそうです。

何よりも、性格的に社交的というか、おおらかで開放的で、人を非難するような口調で話すような人ではないので、施設の方々と良好な人間関係を築き、他の入居者と上手く付き合うことができたのでしょう。

もうひとりの女性は五男の奥様です。この五男という方は、若い時にグレてしまったので、五男とはいえ、勘当同然で家から追い出されたのです。ですから、六男の奥様や母と違って、夫の実家が資産家だったことなど関係なく、結婚当時から「自分も働く」という強い意志を持っていました。本当に立派な女性で、ご主人である五男が50代でがんになり他界した後も、兄弟に金銭的な支援など求めることなど一切しなかったようです。

それでも、この奥様が60歳中頃で仕事を辞めてから、認知症の兆候が見られるようになったので、長女が引き取って自宅で世話をしていたそうです。長女は、結婚しているのですが子供がおらず、ご本人も働いているので、昼間は家に誰もいないような状態だったそうです。

そのせいか、この奥様の認知症がアルツハイマーなのか、単なる加齢なのか、詳細は分かりませんが、急激に様子がおかしくなり、家族で世話をするのが大変になったそうです。そこで、認知症ケアに特化したグループホームへの入居を検討せざるを得なくなったそうです。

長女としては、親を施設に入居させるということについて、親を姨捨山に捨てるみたいで気が進まなかったのですが、奥様ご自身から、人と接していたいとの強い希望があったそうです。実際、グループホームに入居してからは笑顔が見られるようになり、驚くほど元気になったそうです。

このお二人は、レアケースなのかもしれませんが、施設に入居するのも決して悪いことではないようです。